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ODAGAWA SHION / 2001
¥1,000
【収録曲】 1. Square 2. Kyoshi 3. tobikomi 4. Computers and Favors 5. Automation Speedway 6. azarashi i pe ko 7. MABAYUI EZOSHIKA 8. One Match 9. Floating 10. Pegasus 11. Hedopelagic 12. Empty 13. Rigel 14. alian pump 15. itsudatte bokuraha 16. Sheesh 【発売】 2024年11月 【Trailer】 https://youtu.be/FhyrEbKj1M8?si=29qv09ZuL-S__-kF 大阪を中心に活動するVGMアーティスト、ODAGAWA SHIONの5thアルバム!! 僕のお店「さぼてん堂」の2階でシオン君はよく作曲をしていて、このCDの封入もうちの店でずっとやっていました。いつも横にいるシオン君がちゃんとかっこいい曲をいっぱい作って、着実に進んでいく姿を観れるのは嬉しいです。 前作も素晴らしい出来栄えだったのですが、今回は前作よりもキメの細かい遊びやアレンジが光り、また曲ごとに設けられたジャンルそれぞれに縛られない音選びの幅が広がったように感じます。 3曲目「tobikomi」すごい曲だと思います。ぐるんと景色が途中から一回転するのですが、その展開の仕方がめちゃくちゃスムーズ。綺麗にひっくり返っては真っ逆さまに飛び込んでいきます。持ち前の"渋さ"が、"癖"ではなく"技"に仕上がった瞬間を見たような気がします。 7曲目「MABAYUI EZOSHIKA」突然歌い出したODAGAWA SHIONにびっくりする曲。正統派の歌唱、チープさとエネルギッシュさのバランス感が面白いです。一回聴いたらずっと耳に残ります。 8曲目「One Match」タイトルから考えると「ラスト一機、これ死んだら終わり」の場面だと思います。アッパーで前のめりな楽曲、シンセベースが渋くうなっていてかっこいいです。シオン君らしいキーボードのメロディラインがくっきりと浮かび上がっては乗せてくれる名曲。 15曲目「itsudatte bokuraha」個人的に、シオン君の曲史上トップクラスに好きな曲。一回聴いた時からかなりハマってよく聴いています。クラップやバスの使い方がちょっとフックになっているのにスマート。単純なようで耳に残るメロディにはすごい情緒があります。なんでこんなにグッと来るんだろう……と、何度聴いてもわからず、また聴き返してしまいます。中盤の不思議な展開がメインのリフの心地よさを引き立てます。 めちゃくちゃいい音源だと思います。前回の音源は曲ごとにくっきり色があって色んな人に見た景色って感じでしたが、今回のアルバムは一人の人間が観た色んな景色、って感じがします。不思議な統一感。じっくり聴くのもよし、車でかけるのもよしな名盤です。
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扇芝智也 / スコープ
¥2,800
【収録曲】 1. 雫 2. ステラ 3. ERROR 4. 潜水 5. CITY 6. SCENE 7. たからもの 8. スコープ 【発売】 2024年10月 【ライブ映像】 https://youtu.be/tnq8IwIhZVc?si=U4BtjttITiPoB9-Y 大阪を拠点に活動する弾き語りアーティスト、扇芝智也の音源付き歌詞集!! 画家の橋本絵里奈さんが扇芝智也の楽曲一つ一つに作品を当て、全ての歌と全ての絵とがリンクする音源集兼画集。絵と音楽、二つの切り口から想像させられるのは、日常の中でふわっと漂う妄想と現実の狭間の不思議な空間。夢っぽいような現実だったり、憧れたものだったり、諦めたものだったり。 じっと歌詞と絵を見ながら音楽を聴いていると、何がなんだか分からなくなるような不思議な気分になります。 ミクスチャーアートの可能性を広げてくれる作品としての快作。
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雨市 / カントリー
¥2,000
【収録曲】 1. カントリー 2. SOS 3. 蛇口 4. ファンクポップ洗濯ロール 5. 最下位 6. 青春サブマリン 7. こわれていく 8. 時計 9. 6段変速 【発売】 2024年1月 大阪を中心に活動するフォークロックバンド、雨市の9曲入りアルバム!! 20年以上活動し、長くオルタナティブにブルースを追求する雨市。まだまだ続いていく最中でありながらも境地、サウンドも言葉も楽曲の魅力も凄まじい名盤です。 アルバムリード曲でもある1曲目「カントリー」、ミドルテンポながらも跳ねるように力強いドラムが、耳心地よく覆うギターサウンドを勢いよく流し込んでくれます。豪快な楽曲とは裏腹に、しんと伸びていくような言葉はゆっくりと頭の中でリフレインします。雨市らしいテンポの持ち上げ方も抜群に良いです。 6曲目「青春サブマリン」少しアップテンポ目、懐かしい町を久しぶりに探索するイメージの曲。Aメロとサビの言葉量の対比が面白く、目まぐるしく変わってく景色を想起させます。曲の中で過去と未来が繋がっていくような不思議な感覚があります、地元を散歩したくなる曲。 9曲目「6段変速」個人的に1番好きだった曲。イントロの入り方からすごいです、音楽の隙間の作り方がめちゃくちゃ美しいです。流れていく時間と6段変速の自転車をリンクさせ、グングン上がっていくスピードの中にある切なさだったりやるせなさだったりが描かれたようなイメージ。サビに入るたびに鳥肌が立ちます、女性コーラスの絡まり方が気持ちいいです。 どうしようもないことがあって、その上で自分がどう生きるのか、みたいなのをすごく考えさせられるようなアルバム。すごいです、かなりおすすめ。ぜひ聴いて欲しいです。
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Pumpkin Sneakers / Melancholy of Citrouille
¥1,000
【収録曲】 1. 興 2. Ishigaki Lullaby 3. El Camino De La Cola 4. Ungut Mosch Mosch 5. La Notte Il Mare 【発売】 2024年6月 大阪を拠点に活動する二人組ギターユニット、Pumpkin Sneakersの5曲入りアルバム!! 技巧派でエネルギッシュなギター二人組、カントリーにオルタナティブな聞き応え抜群の音源。高いグルーヴには熱量も無邪気さもあり、聴いているだけで音楽をどんどん好きになっていきます。 2曲目「Ishigaki Lullaby」ゆっくりなパートと早いパートを、最高に気持ちのいい間で交互に織りなす曲。僕はギターを弾けないのでどれぐらい難しいことをやっているのかとかは分からないけど、このテンポチェンジの多さを抜群のグルーヴで魅せる呼吸の合い方にはびっくりするし、そのバッチリ感が何より楽しいです。聴いているだけでどこか遠くまで行けてしまう名曲です。 5曲目「La Notte Il Mare」タイトルはGoogle翻訳によると"海の夜"。哀愁を持ったままにアップテンポで走り抜けていく、美しさと疾走感のある曲。ギター2本だとは思えない表現力、バッキングとリードを交互に行いつつたまに重なる瞬間が爽快です。 音一つ一つの響きにかなり丁寧なこだわりを感じる素晴らしい音源。BGMとしてかけてもかっこいいですが、個人的には一人でイヤホンで大きい音で聴くのがおすすめです。
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樂円音樂 / 雷撃集Ⅰ
¥2,000
【収録曲】 1. 夏はゆく 2. ファズ 3. 花を手向ける午後 4. 薔薇色の日々 5. 微睡日和 6. 君のままで 7. 華やぐふたり 8. 綺羅星葬儀 9. 境川天国方面 10. 騒がしい日々の終わりで 【MV】 ファズ→https://youtu.be/wboDdqrdNEI?si=JPTN5hjJjrto5ahO 騒がしい日々の終わりで→https://youtu.be/yjumfgTa_2s?si=D1xXErSMYCmdZ72U 【発売】 2024年10月 東京を中心に活動するギターポップ・パンクバンド、樂円音樂の1stアルバム!! 個人的にずっと待ってたフルアルバム、荒々しくキュートに炸裂するポップなパンクロック。乗れて爽快でちょっと切ない名盤です。 2曲目「ファズ」歪んだギターリフ、アグレッシブなツービートの直線スピードパンク曲。初期衝動をそのまま切り取ったような短い曲です。荒さが狂気ではなくロマンチックに昇華される、ギターポップの様式美をしみじみと感じます。細やかなコード進行のこだわり、キメやアレンジの練度は凄まじく高いグルーヴがメロディックさをより引き立てます。 10曲目「騒がしい日々の終わりで」出会いと別れの寂しさをポップにあっけらかんと歌ったような曲。メロディの良さを活かして跳ねるビート感、断片的な言葉がキラキラ輝くような"間"がすごくいいです。懐かしい人に久しぶりに会いたくなるような曲。 初期衝動というよりはモラトリアム、ロマンチックを追求して作り上げられた作品。美学のある荒さとグルーヴに正々堂々当てられる名盤です。
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しろつめ備忘録 / リマインダー
¥2,500
【収録曲】 1. キャラメル 2. アクセルペダル 3. ロングサマーバケーション 4. bus stop 5. アクアリウム 6. 君はビター 7. 幸せの意味なんて 【MV】 アクセルペダル→https://youtu.be/iVg80VVmEr8?si=CfKUTkGlQc4tgb4K 【発売】 2024年11月 東京を中心に活動するインディーポップ・ノイズポップバンド、しろつめ備忘録の1stアルバム!! ロマンチックなサウンド、メロディックな女性ボーカルとローファイ感が抜群な音源。自然に乗せてくれる感じの曲構成が心地いいです。 MVにもなっている2曲目「アクセルペダル」アッパーなビートから伸びやかなリフに入る、疾走感抜群の名曲。インディーポップらしさ全開の夢夢しい鮮やかさ、力強く抜ける女性ボーカルにただの心地のいい曲で終わらせないエネルギーがあります。サウンドと楽曲に強いこだわりを感じる曲です。 4曲目「busstop」ガレージロック調で軽やかに跳ねるパワフルな曲。渋いリフと対極の女性ボーカルが映えます、どの楽器も楽しそうに踊るので聴いていて楽しいです。ポップスの美学と音楽愛とが綺麗に交差した曲。 歌やサウンドの特化した特性を自分たちが熟知し、その使い所を完璧なタイミングで使ってはどこまでも魅力的に光る音源です。
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病気マサノリ / 病気マサノリ/オムニバス
¥1,000
【収録曲】 [DISC1:オムニバス] 1. 六本木までぶっ飛ばせ(The wild wax) 2. ロックンロールナイト(The wild wax) 3. フルルムフムヌ(ウーバホ)(Africa smith) 4. アホアメリカ(Africa smith) 5. 味方になってね係長(OL Le'mon tea) 6. オーレモのテーマ(OL Le'mon tea) 7. Go to Die(dead-man) 8. THRASHER(dead-man) 9. エデンの砦(Darkness kiss) 10. Garden(Darkness kiss) 11. 第581惑星LP-LNDY(SUPER SIELLA) 12. 新次元(SUPER SIELLA) 13. Junk rap(Ash) 14. アジアブネー(Ash) 15. Something Else DESTROY NIGHT(Ash) 16. 甘く夜をこえて(ニックス) 17. YES I DO RAMONE(ニックス) 18 キミの人になる(ニックス) 19. ROCK BABY(Name toms) 20. OKINAWA(Name toms) 21. Forever Rock(Name toms) 22. family END(SUPER STELLA) [DISC2:病気マサノリ] トラック1~24 大阪を拠点に活動するソロアーティスト、病気マサノリのオムニバス22曲入りアルバム、そしてソロの24曲入りフルアルバム、2枚組の商品です。 CDに"オムニバス"とマッキーで書かれたCDの方だけ曲目が同封されており、楽曲タイトルとそれぞれを演奏したアーティストらしきものの名前が書いてあります。しかしどのバンドの名前を調べても出てこない上、どの曲のボーカルも病気さんの声に似ている気がします。色んなメンバーで色んな曲をやったということなのかな……、と思います。アグレッシブなバンドのパワフルさ、実験音楽的な遊び、色んな形の病気さんを聴けます。 それからソロの方の音源。普段ソロの時にやっている曲を、バンドサウンドだったり弾き語りだったりで録音した音源。個人的には病気さんのソロのライブとその楽曲が好きなので、この音源は嬉しい。ただ歌詞カードや曲目の情報が全くないので、曲名が全くわかりません。 打ち込みだったり生演奏だったりする色んなサウンドはかなり多彩、ギターやドラムのみではなく、ガツガツノイズがなったりカラフルな鍵盤が鳴ったり。病気さんの思い描く世界が丁寧に作られた音源だと思います。 なんだかよくわからないけど定期的に聴きたくなるような、魅力がじんわりと広がっていくような音源です。
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YMOシール
¥200
5cm×5cmシール デザイン:よいまつり
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NEVERMINDシール
¥200
5cm×5cmシール デザイン:葉隠お宮
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ゆうさり / ほとり
¥1,500
【収録曲】 1. 百日 2. 朝の清冽 3. 揺り籠 4. みなし児とはこぶね 5. 輪 6. ほとり 【MV】 朝の清冽→https://youtu.be/I3aCdgQWeF8?si=6kaNvsFRPf2QuExA 揺り籠→https://youtu.be/OKtLWUzVdjk?si=5KFd1j1CUdEvCdjJ 【発売】 2024年9月 riko niikawaによるソロプロジェクト、ゆうさりによる6曲入りミニアルバム!! 聴き始めたらざわざわっとした気分になって、解いたらいけないような気がする自分の周りのものまで剥がされて、ちょっとずつ何もなくなって、アルバムを聴き終えた直後の無音がすごく心地良くなる、そんな音源。一切何も持たずにやらずに、目を閉じてこのアルバムに全ての身体を預ける時間を作ってみて欲しいな〜〜、と個人的に思ってます。 弾き語り音源というよりは総合演出音楽みたいなイメージ。必要な場面でビートを、アンビエントを、ギターを入れ、「この曲のこの場所に本当に必要な音は何なのか」とめちゃくちゃ丁寧に考えて作り込まれた軌跡を感じます。曲の瞬間瞬間にこだわり、ループや規則性をできる限りまでなくしたからこそ生まれる、自然体に1番近いような音楽。 曲の流れも本当に綺麗です。MVになってる2曲目の「朝の清冽」や3曲目の「揺り籠」も、単体で聴いた感覚とアルバムの流れで聴いた感覚は全然違います。MVで見ると「すごい良い曲!」って感じだけど、アルバムの中だと「大いなる流れの一部」みたいな。過ぎ去るような流れというより、乗せて運んでくれる流れ。 アルバムの中でのアクセントになる曲は、5曲目の「輪」なのかな、と思います。グンと曲が大きく広がる瞬間があるのですが、叩き起こされるというよりはその真逆で、より深いところに突き落とされるような感覚。 詩は断片的で、正直なところ「この曲はこういうことを言っている」というところまでくっきり理解するのは難しくて、ただ、散らばった言葉に曲タイトルからぼんやりと連想しながら耳を傾けるのが気持ちいいな、と思います。 「ほとり、畔、辺り。境目、きわ、水辺、"あらゆるほとりによせて"」と作者のrikoさんが書いてました。僕はなんとなく、最初、最後、廻る、みたいなぼんやりとしたイメージで聴いたかな、と思います。寂しいようで寂しくならない、なんとなく視界が開けるような、すごく良いアルバムです。
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デスゲイズマツイシ / この人を見よ
¥1,000
【収録曲】 1. 100mLのアグラ 2. EIKOの架け橋 3. 壁ドン、肩ズン、顎クイ 4. GO 5. 出家'na Baby 6. Tell you the Truth 7. 浅田物語 8. マチのホットステーツョン 9. 君の名は 10. secret track1 11. secret track2 【MV】 壁ドン、肩ズン、顎クイ→https://youtu.be/wuLI5SGssTU?si=TCjrZemBzuiyFYqe 奈良を拠点に活動する北京パンクアーティスト、デスゲイズマツイシの2ndアルバム!! 1曲目「100mLのアグラ」 松居一代の悲痛な叫びの断片の中から、船越英一郎に対する怒りそのものも一緒に切り取り出し、北京パンクアレンジで炸裂させた一曲。本家よりもオカアチャンに何を伝えたかったのかが伝わりやすくなっているように感じる。 2曲目「EIKOの架け橋」 狩野英孝が芸人として成功し、ミュージシャンとして成功し、未成年と性行したという一曲。"成功"という言葉を多用することにより、狩野英孝の"失敗"をより強く認識させるという、啓発としての意義が強い北京パンク。アウトロの"ラーメンつけ麺ぼくイケメン でもお前が出したのただのザーメン"という一節は、ザーメンなどではなくもっと自分自身をさらけ出せよ、という熱い思いがこもっているように感じる。 3曲目「壁ドン、肩ズン、顎クイ」 モテない少年の熱い衝動を描いた、青春パンクを思わせる北京パンク曲。妄想だけでは飽き足らず、好きな女の子の写真に壁ドンを試してみたら、溢れ出るリビドーにより壁を破壊してしまう。壁ドンを諦めて写真の女の子に肩ズンをしようとしたら、今度はずんどう屋のラーメンを思い出してしまうという無邪気な一面も描きつつ、最後には少年が突如妊娠をして子供を産んでしまうという物語。「元気な双子の赤ちゃんです」という、リスナーに続きを想像させる最後の一説。壁ドンで壊した壁は、人間として壊してはいけない壁を壊してしまったという暗喩。そして"双子"は錯乱した少年が二重人格になったことを想起させる。この曲は生まれた瞬間と壊れた瞬間を同時に描き、生命の意義を問うかのような、壮大で秀逸な物語。 4曲目「GO」 ポケモンGOと551の豚まんをかけ、ポケモンGOがスマホに対応している少年と対応していない少年の格差を音楽で表現し、現代の日本の格差社会を風刺した楽曲。曲の途中で「剛力彩芽がいない時」という一説の後、ポケモンGOの少年の時と同様に泣き声が入る。これはおそらく、日本でも有数のお金持ちである前澤社長も、奥さんがいないと泣いてしまう、つまりお金だけでは幸せが買えないということを伝えている。そしてこの曲のラストは「号泣会計やる時」「号泣会計やらない時」という謎の2択をリスナーに迫り、どちらでも同じ泣き声をあげて曲を締め括る。少年も泣く、前澤社長も泣く、あなたも泣く、つまり人間に格差はないのだ。そんな強い思いをぶつける社会派の北京パンク。 5曲目「出家'na Baby」 レッドアイズブラックドラゴン、ブルーアイズホワイトドラゴン、サウザンドアイズビューティフルガールという3対の生物を叫んだ後、「出家'na Baby」と叫ぶ、という北京パンク。これは僕が遊戯王を見ていないせいでなんのことかさっぱり分からなかった。説明しすぎず、リスナーの知識をストレートに試す。ここに北京パンクの奥ゆかしさを感じた。 6曲目「Tell you the Truth」 トランプ大統領の陽気な挨拶から曲は始まるが、そのすぐ後にトランプ大統領がツイッターに張り付いている描写がある。そして、まるで自作自演かのように自分のツイートを「いいね!」「リツイート!」と叫びまくる。最後には「オバマが羨ましい」「俺のツイッターをフォローしてくれ!」と叫ぶ、という北京パンク。この楽曲は一見、トランプ大統領にも普通の人間と同じような承認欲求がある、ということを描いたように見えるが、実際のところはその真逆。トランプ大統領にはSNSを悠々と見るほどの余裕がある、つまりこのトランプ大統領の発言は、大統領としての格の違いを見せつけるかのような皮肉である。Tell you the Truth、真実を話す。真実とは、世界とは、ディープステートとは。リスナーに気づきを与えるような一曲。 7曲目「浅田物語」 まるで純文学かのようなタイトルのこの楽曲。期待通り、この曲は「真央は激怒した」という一説から始まる。しかしすぐに景色はポケモンのゲームの中へ移行してしまう。浅田真央はシオンタウンでふしぎなあめ増殖バグを使用し、自分のレベルを違法に上げ、とってつけたような最終奥義を会得する。純文学とゲームとの対比、浅田真央のひたむきなイメージと真逆の行動、このコントラストこそがこの楽曲に巧妙に仕掛けられた北京パンク的ギミック。会得した最終奥義の内容は、分身してトリプルアクセルをする、というもの。そしてその奥義で試合に優勝し、浅田真央は浅田魔王になってこの楽曲は終わりを迎える。しかし不思議なのが、魔王になったはずなのにも関わらず、曲の1番最後は「ぼうけんのしょがきえました」の効果音で締め括られている。私の考察では、この終わり方には二通りの可能性がある。まず一つは初めに食べた飴が薬物のパターン。分身は幻覚であり、魔王になると言う一説が単純に"死"を示唆していると考えられる。そしてもう一つのパターンは、ゲームの世界に閉じ込められてしまった、というパターン。このパターンで考えると、閉じ込められたゲームの世界ごと消滅している、というかなりバッドエンドになってしまうのだが、「飴でレベルアップして楽して勝ちたい」というぬるい考えを強く否定するために、それぐらいのラストを用意したとも考えられる。"ズル"と"北京パンク"が対極にあるということ、北京パンクの在り方に強いプライドを持っているからこそ生まれた楽曲なのでは、と私は考える。 8曲目「マチのホットステーツョン」 からあげクン揚げたてです、ご一緒にいかがでしょうか。たったその一文で終わる、12秒のファストコア北京パンク。曲のタイトルの最後が「ション」ではなく「ツョン」になっているところに着目してほしい。これは、「字が汚いからションがツョンに見える」と言われてしまった、悲しい体験談から来ていると考えられる。そしてこの曲のモデル「ローソン」は「ローンン」と書き間違えることも可能。ローン、つまりこの曲はデスゲイズマツイシが借金に苦しんでいる嘆きそのもの。たった12秒だけ漏れ出た"あげたて"の弱音「一緒に(返済)いかがでしょうか」。北京パンクの美学からくる消極的さ、北京パンクの理念から来る赤裸々さ。その二つが12秒という一瞬だけ交差した、ある種どの曲よりも北京パンクが濃縮された一曲。 9曲目「君の名は。」 君の名はあるある言いたい、と数回言った後にジュゲムジュゲムを読み上げる。この時点ではまだなんのことかさっぱり分からない。そしてその後にまた「君の名はあるある言いたい」と数回言った後、「吾輩の名はデスゲイズマツイシ!」と突然叫ぶ。この時点でも全く何のことか分からない。そんな中、ふと「やっと目を覚ましたかい?」という囁き声が入る。ここで私は気づいた。デスゲイズマツイシは眠っていたのだと。夢の中で自分が誰か分からなくなり、徐々に覚醒し、自身がデスゲイズマツイシであることに気づいて起き上がった。ようやくここから『君の名は。』に繋がるのかと思いきや、その直後「この曲は、映画『君の名は』とは……全然関係 ないの♪」と言ってこの曲は終わる。もちろん関係ないはずがないのである。一度振り返ってみてほしい、この曲の中には二人の登場人物がいた。寝ていたデスゲイズマツイシ、そしてデスゲイズマツイシを起こしてあげた誰か。最大の疑問は、最後の「全然関係ないの」と宣言したのが一体どっちの人間なのか、というところだ。普通に考えればデスゲイズマツイシ本人のはずなのだが、これは実は違う。なぜなら"入れ替わっている"のだ。偽デスゲイズマツイシは、この曲以降入れ替わってしまったことを隠すために「全然 関係ないの♪」と宣言したのである。 そしてこのアルバムには、偽デスゲイズマツイシに入れ替わってから収録されたであろうシークレットトラックが2つ入っている。これは偽デスゲイズマツイシが残したメッセージであり、また本物デスゲイズマツイシがなんとか隠したトラックでもある、と私は考える。アルバムタイトル「この人を見よ」は、果たしてどちらのデスゲイズマツイシの言葉なのだろうか。 最後の"デスマッチ"まで、ぜひ耳を凝らして聴いてみてほしい。
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Moriah Plaza / Moriah Plaza
¥3,520
【収録曲】 A1. Desendereçada A2. Mais Amor A3. Te Peço A4. Estelar B1. Lagoon de Merim B2. Teu Porto B3. Samba Moosh 【発売】 2023年7月 【MV】 Lagoon de Merim→https://youtu.be/punY3yspg4o?si=Vbew1OgtTsjoz4ou Estelar→https://youtu.be/KoOo5F0ffZ8?si=fBhyheuJRklW186a イスラエルのテルアビブから入荷、ブラジル・サイケアルバム! 脈々と続くワールドミュージックの系譜、そしてその先にある現代のインディーポップの系譜、そのさらに先でサイケデリックを飲み込んで想像した独自のポップミュージック。 A面4曲目「Estelar」尺八のようなストリングス、どっしりとしたビート、ゆらりきらりと鮮やかな楽曲。多彩な音が軽やかに絡まっていく心地よさ、ささやきのような女性ボーカル。曲の押し引きが呼吸に合うというか、聴いてて1番肌に合う感じで曲が動いていきます。一筋縄ではいかないバケーションミュージック。 B面1曲目「Lagoon de Merim」アンビエントから入り、突如目の前に遊園地が現れたかのように始まるカルティックなポップメロディ。緩やかな曲調なままにずば抜けた明るさが弾ける様子は狂気的で、しかしそうとわかった上で踊らされる高揚感は最高です。 A面はサイケ・インディーポップ、B面はその要素をそのままにダンサンブルになっていきます。ずっと軽やかにおしゃれにポップにサイケデリック、深いルーツと音楽愛が背景にくっきりとあり、自然に流されていける安心感があります。いつどこでも聞きたい名盤!
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Los Mohanes / La Tumbia
¥4,200
【収録曲】 A1. La Cumbia Salió De La Tumba A2. Porro Ninja A3. Cumbia Moribunda B1. El Bembeo B2. Congas B3. El Viento Del Mar 【発売】 2024年7月 【視聴】 https://youtu.be/nwLPfTF42jc?si=Zryhjx2_7HzxP9fl https://youtu.be/E8tmiAVfMXI?si=F6RLhmITos_vBXgk フランスから入荷、Los Mohanesによるテクノ・エレクトロ音源!! ジャンルはなんとも分からず、何度聞いても楽曲の構成やメカニズムは分からず。ただただ「これはすごい」と直感で感じて仕入れたこのLP。五感に滑り込んでくるような魅力があります。ジャケットの謎のおじさん二人が本人なのかどうかはかなり気になるところ。 2曲目「Porro Ninja」シンセベースの渋いリフの上でコンガ等の打楽器が鳴り響き、謎の掛け声のような声があちこちから飛び交うような楽曲。音色はほぼ変わらず、音数や音域を繊細にコントロールし、独自の間合いで作り出される波でトランスさせてくれる曲。気づかないうちにシンセサイザーが鳴り始め、おじさんの声も増えたり減ったりします。ゆっくりゆっくりしぼむ終わり方が渋すぎてかっこいいです。 3曲目「Cumbia Moribunda」この曲を聴いた瞬間に「これは!」とすぐに仕入れました。重たくユーモラス、実験的なのに聴きやすい。はちゃめちゃに色んな音が飛び交っているのに「これなんです」と思わされるヤバいバランス感覚。こんな楽曲が聴いてみたかったと思ってしまいました。ほんとに気持ちが良い。 ぜひ一聴してみて欲しいです。すごい。
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sickufo / sickufo2
¥1,500
【収録曲】 1 pool 2 ufo 3 ride around 4 she's so blue 5 after the matsuri 6 mado 7 hyoutenka 8 iwa wo kezuru 9 daywalk 10 baby in the car 11 wehavelove 【MV】 iwa wo kezuru→https://youtu.be/ZE6joKPo0Pg?si=AuTW7YG2_aFUJWdB 【発売】 2023年9月 東京を中心に活動するサーフ・インディーロックバンド、sickufoの2ndアルバム!! スカッとしたサウンドバランスの中で波を打つような温かいギターサウンド、鬱屈と煌めきを同居させ、音と言葉で魅せて聴かせる極上の音楽。ずっと好きでずっと聴けるアルバムです。 3曲目「ride around」やや遅めなミドルテンポ、ベースとギターの跳ねた響きの上に弾かれて揺られるような心地の曲。断片的に飛んでくる歌詞「ポップキャンディ」「信号機」「螺旋階段」等が音楽の中に尾を引いて残っていって、頭の中でゆっくりリフレインするような不思議な感覚。意識が散漫な瞬間を切り抜いたかのように感じる曲です。 6曲目「mado」部屋の中から窓越しに雨を眺めながら好きな音楽を聴き、ぼーっと色々考え、ふと窓を開けてみる曲。このバンドが切り抜いて表現する"いつかの瞬間"は、僕も普段気に止めないような瞬間で、ただsickufoの曲を聞くと、知ってるような知らないような景色を思い出しては「あの瞬間めっちゃ良かったな〜」となぜか思い返してしまう感じがあります。切り抜くセンスとその瞬間を表現する音楽センス、どちらもほんとにやばくて、この曲は特にそのどっちもが光ってる曲だと思います。 8曲目「iwa wo kezuru」少しアップテンポな曲。ゆっくりとした曲が続いた後に来るこの曲の荒波感がすごい。曲単体としてももちろんカッコいい曲なのですが、アルバムの流れで聞いた時の爆発力はとんでもないです。連打されるハイハットとかき鳴らすベースの"iwa wo kezuru"感がめちゃくちゃ気持ちいいです。 どの曲もすごいです、ずっとロウで美しくて心地いい。このアルバムが聴ける時代に生まれて良かったと思ってしまうぐらいの名盤。
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北川知早 / demo3
¥800
【収録曲】 1. それだけのことさ 2. 生きてゆくには 【Lyric video】 生きてゆくには→https://youtu.be/pqvHps-UaK8?si=Onm2H46m_oMM_c-u 【発売】 2023年2月 京都を中心に活動する弾き語りアーティスト、北川知早の3rdデモ音源!! 1曲目「それだけのことさ」どっしりと響くドンシャリサウンド、ハーモニカのメロディと言葉がすんなり入ってきて心地がいいです。選択した瞬間の葛藤や後悔を全部ひっくるめて愛して前に進もう、みたいなイメージの曲。吹っ切れる瞬間の気持ちよさと切なさがすごい詰まってる曲で、聞いてるだけで身が引き締まる感じがするかっこいい曲です。 2曲目「生きてゆくには」風邪ひいた時に作ったっぽい曲。軽やかな曲調で綴る日常の気づきと、広い視野で見た自分、そこから考える自分の生き方。言葉一つ一つに力があり、人としての豊かさとミュージシャンとしての表現力のどちらもがバッチリ光ります。詩が曲に沿って少しずつ広がっていくというか、ぐるぐる回っていく頭の中と似たリズムで詩が展開していくような感じがリアルですごいです。 日々生きて感じて思って音楽にする、その過程ごと美しいと思えるような、弾き語りならではの素晴らしさが詰まった2曲です。
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FRK / GRUV!
¥2,200
【収録曲】 1. Cordobés 2. Sitges 3. Pájaro Loco 4. Hiromi 5. Jia Peng 6. Sottile 7. Sitges II 【発売】 2023年5月 【視聴】 https://youtu.be/qr5Utq8EPL8?si=x_rrZsgzLJjKBB_8 アルゼンチンから入荷、FRKによるジャズ・フュージョンロック音源!! 風通しのいいさっぱりとしたサウンドの爽快感、予測できないトリッキーな曲展開とオルタナティブなアレンジ、技術と表現力で魅せるインスト音源。 1曲目「Cordobés」リフの決めの気持ちよさ、そして個々の楽器のフリースタイルの伸び伸びした感じとがくっきりとしたコントラストを生み出しており、7分の尺でずっとワクワクさせ続けてくれます。ジャジーなセッションは部分的にサイケっぽくもなりめちゃくちゃクールです。 5曲目「Jia Peng」スペーシーな雰囲気で始まるフージョン味の強い曲。この音源の中で1番メロディが立っているキャッチーな曲な気がします。何本かある管楽器は唸り合い、タイトなビートの上で鮮やかに跳ね、すごい遠くの世界を旅行させてくれる感じがします。 行ったこともない遠くの国の音楽をゆっくり聴くの楽しいな、みたいな、音楽を聴き始めた頃の無邪気な気持ちを思い出させてくれるような、音楽愛と衝動と技術の詰まった素晴らしい音源です。
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Praed / KAF AFRIT
¥2,420
【収録曲】 1. The Sun Of Knowledge 2. Djinn Dance 3. El Hawi 4. The Spell 5. Kaf Afrit 【発売】 2023年9月 【視聴】 https://youtu.be/rtt4c-Ur14M?si=LiqAMCeZkk2kUqZJ ドイツから入荷、PRAEDのラテン・エレクトロ音源!! ブラジル音楽、ラテン、ワールドミュージック等の民族音楽的なルーツをジャンキーなダンスビートの中に落とし込んだような今音源。ジャケットのド派手さが当然のようにしっくり来る音源です。 1曲目「The Sun Of Knowledge」若干前のめりなダンスビート、生々しく壮大なトランスミュージック。洞穴の中をどんどん掘り進み、いろんな景色が開けていくようなイメージの面白い曲展開。音色とビートをほとんど変えずにグルっと変わる曲展開の幅の広さがすごくて楽しいです。 3曲目「El Hawi」インド系の弦楽器の音とコンガっぽい打楽器の音が軽やかに打ち乱れ、低域にどっしりとあるバスとベース、ぽっかりと空いた中音域の空間を楽しむような独特のドンシャリミュージック。アメーバみたいに伸び縮む曲の中でふわふわと漂えるような、気持ちのいい曲です。 かなり前衛的で、その上でダイレクトに突き刺さるダンスミュージック。小難しいことを考えてしまうその思考ごと飲み込んでくれるような一枚。
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茶封筒 / ジャイロ
¥2,000
【収録曲】 1. 高島ゴンザレス 2. お菓子は300円まで 3. ぱいぽぱいぽ 4. 空手をやればいいじゃない 5. ひきずりそうだ 6. チャミスル 7. 戻らぬが 【視聴】 お菓子は300円まで→ https://youtu.be/XyfMVFkLPcs?si=PNaSedh3TkMXT7JH 【発売】 2024年4月 東京を中心に活動するバンド、茶封筒の3rdEP!! キャッチーなメロディ、独特すぎる声、多彩なサウンドの使い分け、そして何より不思議な歌詞。個性を極限まで抽出して自分たちの音楽を追求し、日に日に濃くなっていくこのバンドの1ページを覗き見れるような音源です。 僕は少し前に茶封筒のライブを見た時、なんだかぎゅっと切なくなったことがありました。曲ごとにあるテーマはどこまでもユーモラスでありながら、その上で妄想少年のロマンチックが爆発した瞬間の輝きのような、モラトリアムをなんとなく感じます。そしてこの音源でもやはり、そのロマンチックは凄まじく輝いています。 2曲目「お菓子は300円まで」遠足に行く前のワクワク、それからちょっと大人に憧れている少年の心の機微を、端的な言葉とジャッキジャキのサウンドで表現した曲。僕は茶封筒が描く少年少女がすごく好きなので、この曲も大好きです。子供が言語化できないけど感じている”何か”をサウンドに落とし込んで音楽にしているところがさすがの表現力です。 7曲目「チャミスル」ロウテンポ、タイトで渋いダーティな曲調。絶対にチャミスルを選ばない場面でチャミスルを選んでしまっている、ダーティに憧れてダーティになれない人のお茶目さがキュートな曲。ファルセットがあんまり届いてないところも、この曲のテーマに沿っていてすごくキュンと来ます。 このバンドからしか得られない、このバンドを欲する心があります。ぜひのめり込んでみて欲しいです。
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扇芝智也 / 遥か
¥1,500
【収録曲】 1. のあのあ 2. 徒然 3. 本心 4. 街鳥 5. 落葉 【ライブ映像】 落葉→https://youtu.be/wb_yNruZag0?si=j9pAwPUZy78Xg5xA 【発売】 2024年5月 大阪を拠点に活動するアーティスト、扇芝智也の音源付き歌詞集! 3曲目の歌詞の中にある「魂が先に」という詩が、僕はこの音源の核になる言葉なのかな、と思いました。進むことと、立ち止まるゆとりを持つこと、その歩み自体を美しいと思って、じゃあ自分はどうなんだろうなと考えながらも前に進む。葛藤という言葉ほどリアルではなく、どこかぼやけている思考がそのまま音楽に落とし込まれたような音源付きの歌詞集。 ちょっと前に扇芝は僕も住んでいる「千鳥橋」という町に引っ越してきていて、この歌詞集にはその千鳥橋の写真もたくさん載っています。 1曲目「のあのあ」真っ青な空と、その空を”のあのあ”と表現したあの子のおかげで、ほんの一瞬だけ軽くなった気分を描いたような曲。静かに響くギターのリフが、静かに救われた心と青い空とにリンクしていて心地がいいです。ふと空を見上げたくなるような曲。 4曲目「街鳥」この音源の中では唯一アップテンポな曲。素早く飛んでいく鳥を、無意識に流れていったり忘れたりしてしまっていることの無情さのメタファーとして表現したような曲。悔いる時間よりも次を見る時間を大切にしていこうぜ、みたいに僕は感じました。丁寧に熱がこもった曲、かっこいいです。 それぞれの曲に捕捉みたいな感じで手書きで言葉が書かれているこの歌詞集。アーティストとしての扇芝と、公園でぼーっとしている扇芝、その両方を目の当たりにできる作品です。
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ODAGAWA SHION / 2000
¥1,000
【収録曲】 1. zip line 2. plum city 3. river noodle 4. RB 5. inago 6. syohosen 7. kalasia 8. Delicious Freezer 9. start dash drink 10. Gymkhana 11. IDO SOKUDO UP YUKI 12. imomushi 13. Asian Orb 14. Deka 15. driving park 16. LOVE×2BACK☆☆ 【Trailer】 https://youtu.be/-xYnluGvnCI?si=HWFQt_ni6_ynAzIh 【発売】 2024年5月 大阪を中心に活動するVGMトラックメイカー、ODAGAWA SHIONの4thアルバム!! 彼の1番色濃いルーツはゲーム音楽。そんな中、本来交わらないはずのパンクバンドやポップスバンド、弾き語り等とのジャンルレスなライブ経験を踏み、生まれたのはかなりフロアに密接でアグレッシブなアプローチ。豊かでバーチャルな音楽を肉体的に打ち出す、今音源は徐々に形成されていった彼ならではの音楽性がバッチリハマって生まれた、個人的には過去最高傑作だと思います。 4曲目「RB」テンポは少し早め、スロットをイメージしたエレクトロニカルな一曲。音の隙間は多く一つ一つの音の粒が浮き立つように作られており、どうしてもじっと耳を澄ませてしまうような曲。なぜかダブの香りがします、ワクワク乗れる名曲。 8曲目「Delicious Freezer」強くくっきりとしたビートの上でシンプルにメロディを聴かせる、今音源の中で彼の技術とセンスが生々しく光る曲。展開もそこまで多くはないものの、一つ一つの音の響きにこだわって作られており、真っ直ぐに持ち味を楽しめる曲です。 16曲目「LOVE×2BACK☆☆」色んなテーマで色んな曲から色んな景色に引っ張り回してくれて、1番最後に来るこの曲はアゲなハッピーハードコア。彼のちょっと渋めなセンスというか、明るくなりきらずに聴かせる感じはハッピーハードコアとの相性がすごくいいように感じます。派手すぎないというか、わかりやすくなりすぎないというか。 インスト音源なのに彼の人間性が溢れ出る名盤、ぜひ聴いてみて欲しいです。
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Padge / 人間っていいな
¥1,000
【収録曲】 1. アフター・フューネラム 2. バック・ホーム 3. プラス・マイナス・ゼロ 4. ファーリー 【ライブ映像】 https://youtu.be/zDT9lwq7Kr4?si=RatS--THw1Ob3rV4 【発売】 2024年3月 長野県の松本を拠点に活動するハードロック・ギターポップバンド、Padgeの4曲入り初音源!! ソウルフルにアグレッシブ、おしゃれさとパワーのバランス感が抜群に爽快な音源。CDと同封されている特典の数も凄まじく、熱量と愛にグッとくる一枚です。 1曲目「アフターフューネラム」サックスから入り、スカッとした音の空間とソリッドに唸る力強いサウンドとのコントラストで魅せる曲。アグレッシブにチャンスを決めきれなかった人生の瞬間を描いたような、後悔から来る今の強さを描いたような詩。観て観ぬふり、後の祭り、何度も出てくる言葉は、生活の中でふと頭によぎっては「やらなきゃだめでしょ〜」みたいな気分にさせてくれると思います。 3曲目「プラス・マイナス・ゼロ」ファンク調に進み、サビでビートが半分になってガツンと重く乗せてくれる曲です。ファンクらしい怪しさがかっこいい曲展開、どうしようもなさと強く生きる美学とが交錯するような歌詞。感想やアウトロで楽器が自由にうねるのは、ライブバンドらしさがあり楽しいです。 ロマンチックに熱く生きる、モラトリアムの詰まった音源です!
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re:lapse / re:lapseⅢ
¥1,650
【収録曲】 1. emotion 2. angelo 3. i hate you 4. perfect world 【MV】 angelo→https://youtu.be/R1MLfMtdxgw?si=P4UcB3pYgSN23vWH 【発売】 2024年3月 東京を中心に活動するシューゲイザー・ドリームポップバンド、re:lapseの3rdEP!! 女性ボーカル、爆音、硬派なシューゲイザーアルバム。イヤホン・ヘッドフォンに馴染みすぎる楽曲、バンド音源というより音像作品みたいな言い方の方がしっくり来ます。全てがずっと気持ちよくて爽快で、この楽曲一つ一つの中にどれほどの研究とロマンが詰め込まれているのか、想像もつかないです。 1曲目「emotion」ダンスビートの上でゆらゆらの爆音を聴かせたまま乗せるテクノシューゲイザー。4つ打ちのドラムがあるおかげで、弦楽器のどれもが曲の真ん中に落ち着かなくていいというか、ベースもギターもボーカルも全てにウワモノ感があって楽しいし気持ちいいです。ラストマジで気持ちいい、やばいです、絶対に体感して欲しい。 MVにもなっている2曲目「angelo」凶悪なサウンドが温かく優しい爆音メロディック曲。ギターサウンドの変化が、ジャストタイムではなく曲のパートごとにゆっくり切り替わる感じが気持ちいいです。全体を覆ったままどんどん高音に上がっていく感じ、最高に飛びます。体の血の廻りを感じるみたいな、ヨガやってる時みたいな感じの曲です。 肉体的な音とデジタルな音との境目があいまいで、その違和感に吸い込まれていくような感じ。ずっと聴いていたい体感型の音源。かなりおすすめです。
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sugarman / Tema and Home
¥2,000
【収録曲】 1. Tetsuo 2. rash life 3. mado 4. スローラーナー 5. uuuu 6. rash life(remix) 7. Romance 8. s.m.p.m 9. shimmer 10. 14(fourteen) 11. バースデー 12. scale up 【MV】 rash life→https://youtu.be/GlRL01dldto?si=JuWbd0SDdxMT6qrP 【発売】 2024年2月 仙台を中心に活動するオルタナ・インディーポップバンド、sugarmanの12曲入りフルアルバム!! インディーポップやオルタナを楽曲の主軸としつつ、電子音やボイスチェンジャーを使用し幅広く実験的に音楽を探究した今音源。持ち味の爽快なサウンドと抜けの良いボーカルのメロディは抜群によく、その上で息苦しさや葛藤を描いたようなリアルさがあるアルバムです。 MVにもなっている2曲目「rash life」電子ビートとシンセサイザーが特徴的で耳に残る曲。スカッと開いている中音域をサビで勢いよく埋める感じが気持ちいい。女性コーラスでパッと華やかになり、そのまま遠くに消え去っていくように終わっていきます。ぼーっとトランスさせてくれる不思議な安心感。 5曲目「uuuu」曲名通りにuのハミングがら始まる曲。畳み掛けるように歌が途切れず続くAメロ、単調に進んでいく曲がブレイクを挟んでから少しずつ歪み、うねったままにグンと伸びていくような曲。シューゲイザー的アプローチを必要最低限の洗練された音で鋭利に丁寧に広げ、1番最後の最後でめちゃくちゃに鳴る曲。思ってたよりも来た!とテンションが上がりました。かっこいい轟音。 12曲目「scale up」聴きたい音楽、アッパーなのに走り切らない優しいこの感じ、落ち着くバンドサウンド。低音と中音域にバランス感が抜群で、気持ちのいいメロディはふわふわと踊り、アレンジでバッサリと曲の色を派手にしていきます。素晴らしい名曲です、ずっといずれかの楽器が個性を発揮していて、自由で楽しいです。 すごく膨らんで収束する、その膨らみがカッコいいからこそ帰結が爽快、そんなアルバム。僕はすごく聴いてます、かなりおすすめしたい名盤!
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猫を堕ろす / ポップの真髄
¥2,500
【収録曲】 1. door 2. 漫画の世界で 3. オーバークロック feat. 藤本薪 4. pop song 5. Storage of the ground 6. コミュニス feat. 鮭とばSKTB 7. 光があふれてる 8. 新しいきみへ 9. 凪の音楽 【MV】 door→https://youtu.be/-Je4kQKq7vE?si=iTmvpcQ9BMpIwmQN 【発売】 2024年2月 東京を中心に活動するエレクトロ・ニューウェーブポップスバンド、猫を堕ろすの9曲入りアルバム!! カラフルな音使い、幅の広いアレンジ、詩的なのに距離の近い言葉たち。ポップさは損なわないまま重たくパワフルに聴かせるアルバムです。 MVにもなっている1曲目「door」独特のメロディセンスが活きる女性ボーカルはこのバンドの節が効いてる感じがします。曲全体が多彩すぎるアレンジによってフワフワ浮いてる感じになっているので、パワーポップ的なアプローチのサビがガツンと映えてかっこいいです。個人的にはサビの終わりがけのコードが気持ちよくて何回も聴きたくなります、ずっと発見のありそうな名曲。 5曲目「Storage of the ground」不思議な曲。僕は英語がわからないので曲名を翻訳してみましたが、曲の詩と照らし合わせて考えてみると"冷凍保存された場所"的な意味なのかなと思います。曲調的にノリの良さはあれど、詩や展開的にかなりタイトな重たさもあり、じっくり聴いているとズドンと影を落とされた気になります。最後のサビ〜アウトロの感じに変な意識の持っていかれ方をする面白い曲。 9曲目「凪の音楽」渋いゲームミュージック的な雰囲気と温かい日本語の歌のポップさが絡まりあってドリーミーに仕上がっている曲。個人的にこのバンドの1番の好きなところである"ピュア故のシニカルさ"みたいなのが、この曲はドンピシャでハマって活きている感じがします。 攻め攻めなアルバムタイトル"ポップの真髄"、ある種リスナーへの問題提起みたいなタイトル。ポップってなんなのか、このアルバムは"猫が堕ろす"が出す一つの回答なんだと思います。時代とか境遇とかを突き抜けるため、今この瞬間に産まれるべくして生み出されたアルバム。