ナードのナードによるナードのための音楽(by kyoushukudes) | SABOTEN MUSIC (セレクトCDショップ)

2019/06/24 22:28

京都を中心に活動している3人組ロックバンド、ゆ~すほすてるの2017年リリースの6曲入りミニアルバム「かなしい」。ナードのナードによるナードのための音楽と勝手に名付けさせてもらったが、僕は日本語の音楽でここまでナードさを感じる音楽を知らない(:ナード=乱暴に言うと陰キャラ/おたくっぽいという英語)    

小気味いいカッティングが幕を開ける1曲目「どうでもいいんだ」からスタート。6曲で15分と、1曲平均2-3分なので気軽に聴くことができる。USインディーやパワーポップ、ネオアコの影響を感じさせるギターロックを中心としており、サウンド面でも3ピースの良さが十分に引き出されている。コーラスを多用したギターのフレーズも面白いし、歪みのタイミングなども完璧でとにかく聴いていて気持ちがいい。ボーカルのegw氏の声はハッキリしているが同時にか弱く、(安直だけど)フリッパーズギターをも彷彿とさせる。そして何より、とにかくメロディーが美しく、いつも口ずさみたくなる。また、ラップもあり音楽的に何度聴いても飽きないような気持ちのいいサウンドとなっている。

そうして日々彼らの曲を口ずさんでいると、きっと歌詞のヘビィさに気づいてしまうだろう。

彼らの歌詞はひたすらに重い。それで勇気付けられもしないし、現実逃避もしない。僕が大好きな1曲目の「どうでもいいんだ」は大事にしていた人やものが消えてしまった悲しみに対して「悲しいとかさみしい みたいな気持ちになることすらきっと無駄なんだと思えた 明日からしようと思っていたことも 必要なくなってしまったけれど いいやもう どうでもいいんだ」どうでもいいんだ と叫んでこの曲は終わる。答えは見つからない、救いはない。泣ける。

僕の好きなイギリスのロックスター・The Whoのピート・タウンゼントはこう言ったという。「ロックンロールは、別に俺たちを苦悩から解放してもくれないし、逃避させてもくれない。ただ、悩んだまま踊らせるんだ。」 超有名なこの言葉を現代の日本で(本人たちは意図していないかもしれないけど)体現してるのがゆ〜すほすてるだ。ジャケットに描かれた少女の物憂げな表情がこのアルバムを物語っているよう。ナードで陰鬱なのにPOPで楽しく聴ける。ナードでPOPなロックが好きな方、andymori、ナードマグネット、初恋の嵐など好きな方はぜひ聴いてみてほしい。絶対もっと売れるべきバンド。


【このレビューを書いた人】

愛知県出身、20194月上京。ぷにぷに音楽祭主催の1人。銭湯、ラーメン、テレビ、ロックンロール。

https://note.mu/kyoushukudes

 

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