2019/07/16 04:24



(レビューというより、自分の中の作品との思い出です。)

 2018年の冬、いつものように冬休みにおばあちゃん家へ出かけた。高速道路を使って3時間くらいのところに、おばあちゃん家はある。ご飯はいつも豪華で(朝ごはんは毎日私が寝坊するので食べ逃す、後悔)、テレビはCSが映ったり、庭のちっちゃい畑でいろんなものを育てていたり。

二階にあるお母さんの部屋だったところには、お宝がたくさんある。YMOの写真集、RCサクセションのカセットテープから始まり、よくわかんない少女の人形、お母さんの小学校の頃の同級生の写真、昔のCDショップのチラシ。お母さんやおばあちゃんの昔生きてたっていう証拠がいろんなところに残っていて、心がはらはら、どきどきわくわくする。

そして今のおばあちゃんもとびきりチャーミングだ。自分で袖の部分を切ったというグリーンに黒のチェックのシャツがとても似合うし、育てた梅で世界一美味しい梅ジャムを作るし、私が黒いアイラインを引いているとメイク薄い方が可愛いと言ってくる。 

ちょっと暇で楽しい数日はすぐに終わり、家に帰る日になった。おばあちゃんと受験のことを話す。あなたなら大丈夫って。大丈夫かなんてそりゃ誰にもわかんないけど、おばあちゃんの大丈夫があればわたしは大丈夫な気がした。


帰りの車。外はもう真っ暗で、でも眠る気にもなれなくて、CDをかけた。

たけとんぼというバンドの、丘をこえてという曲が流れた。そんなに自分でインターネットでCDを注文しないので、いつ届くかなって頼んだ日から毎日郵便受けを見たりしていた。みそさざいさんのイラストのジャケットも好きな、あのアルバム。

なんだか、応援されてる気がして、やさしくて、涙が出てきた。車窓から眺めた夜景の中のビルにいる人たちも、ちっちゃな画面を通じて繋がってる面白い人たちも、友だちも、好きな人も、おばあちゃんも。みんながんばってる。 

この作品を聴くと、いろんな人のことを思い出したり、考えたりして、嬉しくなったり、ちくちくしたりします。素敵な音楽をありがとうございます




【このレビューを書いた人】

17歳。音楽とお笑いとラジオが好きです。

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